大判例

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最高裁判所第一小法廷 昭和39(行ツ)89 判決

主 文

本件上告を棄却する。

上告費用は上告人の負担とする。

理 由

上告人の上告理由第一点について。

論旨は、要するに、原判決は本訴請求を誤解して法令の適用を誤つたものである、

という。

しかし、原判決は、本件訴が不適法であるとの理由で右訴を排斥したものであつ

て、所論のごとく、請求の当否について判断を加えたものでないこと、判文上明ら

かである。

されば、論旨は、その前提を欠くに帰し、採用できない。

同第二点および第三点について。

論旨は、検察審査会の議決に対しては行政訴訟の提起が許されないとした原審の

判断が裁判所法三条の解釈適用を誤り、憲法一一条、一三条、一四条、三二条に違

反する、という。

しかし、憲法三二条は法律上裁判所の権限とされている事項について裁判を受け

る権利を保障したものであること、当裁判所昭和三五年一〇月一九日大法廷判決(

民集一四巻一二号二六三三頁)の趣旨に徴して明らかである。そして、裁判所法三

条が裁判所の権限事項としている「法律上の争訟」とは、原判決のごとく、法規の

適用によつて解決し得べき当事者間の具体的な権利義務ないし法律関係の存否に関

する紛争をいうものと解すべきであり、また、検察審査会の議決が申立人または第

三者の具体的な権利義務ないし法律関係に対して直接の影響を与えるものでないこ

とは、検察審査会法四一条の規定の解釈上疑いを容れないところである。

されば、原審の所論判断は正当であつて、もとより憲法三二条に違反するもので

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はなく、その余の違憲の論旨が理由ないことも、前叙説示理由に徴して明らかであ

り、論旨は、すべて排斥を免かれない。

よつて、民訴法四〇一条、九五条、八九条に従い、裁判官全員一致の意見で、主

文のとおり判決する。

最高裁判所第一小法廷

裁判長裁判官 松 田 二 郎

裁判官 入 江 俊 郎

裁判官 長 部 謹 吾

裁判官 岩 田 誠

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